いいのきの薬学部

趣味か薬学部の参考書について書き連ねます。全て主観で個人の感想です。

【薬学部】実務実習(薬局)前に読んでよかった本大賞(個人的感想メモ)

もーそろそろ薬局実習終わり。

 

図書館4年前期くらいから急に行く頻度が上がり、実習前まで図書館に行っては本を読みを繰り返していました。

 

実習、そこまで少人数じゃないとこでやっているのですが、そんな中先生に「服薬指導、1番上手い」と言われ真に受けて生きていこうと思いました。

 

他の先生からも「薬歴よかったからフォローアップ後のやつも書いてみる?」とか言われて調子乗りそう*1。フォローアップも選んだ疾患のせいもあるかもだけど、他の実習生は電話で話していないと言っていた中、電話代わらせていただき、電話越しに患者さんとお話したり。とっっっっっっっっっっても嬉しかった*2

 

自信がある感じが良い、堂々としている、勉強している、すぐに先生の方見ない、これ褒められているのか????????

 

でも実習前にいくらか本読んでよかったー!とは思うので、読んでよかった本大賞勝手に開催。全て個人的感想です。

 

 

日経ドラッグインフォメーション

 

たまたま読んだら、岸田先生*3の連載やっているじゃないですか~~~~~~!!!!!臨床推論の方は本で読んでましたが、新しい連載やってるなら言ってよ~~~~~~!!!!!というノリで読み漁った雑誌。

 

日経DIは薬局向きで、フルカラー、ぺラいな~って思うけど内容充実していて読み応えありすぎる。他の薬学系雑誌も読みましたが、多分一番読みやすい。

 

特集はさまざま。たまに医師のアンケート取ってたりしていて面白い。連載にOTCや漢方、薬歴・TRの書き方、新薬紹介などある。OTCあるのがうれしい。巻末のコラムも結構好き。

 

その中でよかった連載が岸田先生の「4つのステップで考える Dr.岸田の検査値の生かし方」。2023年7月で最終回を迎えました。始まったのは2020年9月号から奇数月号で連載。偶数のときはポリファーマシーについて考えるです。それも面白い。

 

検査値の生かし方の何が良いか。

 

まず読みやすい。岸田先生と薬剤師数名の座談会方式で進んでいきますので、難しい感じがしない。会話を聞いている感じで読める。

 

処方箋提示して何のための薬なのか薬剤師が考察していき、さらに用量からどのくらいの程度なのかも考察していくので、読んでいるだけで処方解析感覚が補える。用量からの考察はまだ難しいな~とは思いますが、用量から程度の他に腎機能の予測とかもしているのが面白い。

 

で、答え合わせして、この処方薬、病態からどんな検査値が見てみたいかを考え、ついでに検査値の予測も行う。岸田先生の補足も入りながらで、参考になるし、この薬ならこの検査値見たいな~ってのが覚えられる、自然に。

 

検査値を実際に見て、そこからこの人はどんな状態にあるかを考え、最後に介入したいことを挙げるという流れ。

 

検査値の正常値もどんどん覚えられる。この記事、大学で必修にしていただきたいくらいよかった。もっと読みたい。

 

処方薬は一般名と先発入り混じっているので、先発名のときは調べてってのを繰り返していたら、実習前に少しは覚えられたよ。

 

バックナンバーの場所を司書さんに聞いて、実習前にはだいたい2,3年分は読みました。特集内容もさらっと程度で読んでおく。日経は大学によりますが、オンラインで全部読める可能性があり、実習中も結構オンラインで読んでいました。あの号にこんな特集あったから読もう~ってすぐ脳内本棚が開くので一応目を通すだけ通してます。

 

あと、日経DIといったらクイズ。クイズも新薬ネタから服薬指導ネタ、疑義照会ネタなどさまざま。新薬ネタは結構実習中も役に立った。解説あとの「こんな服薬指導を」ってのがわかりよい。

 

日経メディカルオンライン

 

この前まで薬ゼミ薬ゼミだったのに今度は日経推しかと思われそうですが、メディカルオンラインも結構面白い。

 

会員登録の必要はあるけど、無料だし損はない。

 

出荷調整薬でよく検索されている薬ランキング~とか毎週公開していて、わかる~~~~ってなる。実習あるある。

 

その中で面白い連載は2つほどありまして。

 

津島太陽の「病態流れ図で分かる!処方解析」

津島先生早く本出して~~~~~~っていうくらい面白い。

 

処方薬から疾患予想して、疾患の繋がりを理解するという趣旨。これも必修にしていただきたいほどよい。疾患同士の繋がりとかがこれのおかげでわかった。岸田先生の検査値記事とはまた違った面白さ。

 

村阪敏規の「薬局DI編集室」

 

もっと更新頻度増やして~~~、というか出版して~~~~っていうくらい面白い。

 

薬を製剤学的視点から読むという内容。特にリベルサス(一般名:セマグルチド)の記事の締めが秀逸すぎてもう無理。ほんとそれなってなる。リベルサス記事だけでも必修にしていただきたい。

 

このリベルサス記事好きすぎて、同じ実習の糖尿病やりたい子に勧め、隣にいた子にも勧めました。クソヲタクすぎるな。面白いとお墨付きをいただきました。

 

製剤・薬理学から服薬支援を強化する 頻用薬のこれなんで?(倉田なおみ)(じほう)

 

 

日経を抜け出したので多分ここからはじほう祭。

 

製剤学でおなじみ倉田先生の本。調剤と情報でも同じ内容の連載記事がたまにやっていたと思いますが、頻用薬のこれなんで?、面白い。

 

特に好きなのは製剤学視点のやつ。実習前にも読んで、実習中にも読んでました。

 

PTPの色とか粉薬とか製剤学的視点で見ると面白い。製剤学の国試大嫌いですが、こういう臨床に絡められるとめちゃくちゃ急に面白くなる。

 

誰も教えてくれなかった  実践薬学管理(山本雄一郎)(じほう)

 

 

こちらもたまに調剤と情報で連載されていましたね。

 

こんな薬歴、投薬したいと思いましたが無理でした。一番好きなのはボグリボースの章。患者がいるってそういうことだよなと思いました。あとeGFRとCCrの違いとか載ってる。この薬こういう特性あるんだ~とかも勉強になる。

 

 

なんで使うの?そのくすり(村川裕二/高山和郎)(南江堂)

 

よく処方される薬について医師がなんで選んでいるのか書かれている本。たまに同効薬比較しているので好き。たまにペラペラ程度に読んでいました。

 

1つの薬について5ページくらいなのでサッと読めるのがグッドグッド。

 

ホンモノの薬歴の書き方(岡村裕聡)(金芳堂

 

 

いろんな薬歴本を読んだ中でもこれは頭の中がよく見える感じがして面白かった。

 

患者との会話で何を「#」として書けばいいのかというときに、頭の中ではクラスタリングをする。そのクラスタリングをうまーく図で表現していて、症例を用いながら頭の中はこんな感じですよ~ってのがわかりやすかった。

 

 

 

薬名語源事典(阿部和穂)(武蔵野大学出版会)

 

商品名覚えられないな~、商品名がまとまってる本ないかな~と探してたらこの本に行き着いたけど、こちらは一般名由来の専門。

 

一度高速でパラパラしてその場を去ったものの、模試で『プロプラノロール』の構造が出た。そのとき、直感的に「こいつはプロプラノロール」とわかった。

 

なんでプロプラノロールがプロプラノロールだとわかったんだろうかと思ってまたこの本を開いて読んだら面白くて。

 

コアカリらに載ってる構造を全てメモしてこの事典でひらすら引いてたOSCE前日。

 

一般名から作用機序だったり、開発の想いだったりがわかる。今までステムはステムでしかなかったけど、なんでこのステムになったのか、というのもわかる。

 

薬の名前から阻害なのか刺激なのか、そんなヒントも見つかるというマジで素晴らしい本。めちゃくちゃ面白い。

 

構造由来のものがとにかく多いので、この本を読めば自然と複素環が学べる。薬理と化学が同時に学べる。

 

今まで薬理の勉強は構造式と作用機序等を同時に載せたカードを自作してひたすら暗記していた人間からすると、構造式には抵抗もなくスルスル~と読める。今まで自作した1000枚以上のカードをまた振り返りたくなっちゃうし、実際βブロとBZ系は構造式比較してみた。

 

求めてた商品名の本ではなかったが、めちゃくちゃよかった一冊。

 

おすすめはDPP4阻害薬とGLP-1作動薬のステム由来と、カンデサルタン物語。

 

最近薬事日報社から「薬の名前には意味がある」という本が出版され、読みました。

 

事典だとほんと薬効順に並んでる”事典”なので、気になる薬がないと読みにくいかも。だけどこちらの本はコラム形式なので、普通に読めるverで、なんかわからないけど読んでみたい人には良い。こちらにもカンデサルタン物語掲載されていたと思います。

 

 

この阿部先生の本のおかげで、とある新薬*4の一般名を見た時に、絶対こういう由来で名づけられている・・・ってなって実際に調べたら予想当たってたのがめちゃくちゃ嬉しかった。

 

一般名由来覚えて実習に役立つのか?????と思われそうですが、事典読んでいたおかげでエフピー(セレギリン)が何故覚せい剤原料に指定されているのかを知り、パートのおばちゃんに何故エフピーは覚せい剤原料なのかしら?と質問されたときに答えられるようになります*5

 

商品名由来載っていてよかったけど、出版がもう6年前なんだよなってのは有名なやつだけどこちら。

 

薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(児島悠史)(羊土社)

 

比較だとやっぱりこれは面白い。ちょいちょい商品名を載せているのがポイント高い。あと最後用法用量とかも書いてあるのがとてもよーーい。

 

早く第2版作ってくれ(切望)。

 

薬局 2023年4月号「本気ではじめる!吸入指導」(南山堂)

 

ゲーファピキサントの由来を推察するくらいなので、実は呼吸器系が興味あったりする。ゲーファピキサントの商品名、リフヌアの名前由来も勝手に考察して、やば激良いって勝手に妄想するくらいにはゲファちゃん好きなのですが、この本にはゲファちゃんの話はないです*6

 

吸入薬、いつかちゃんとやりたいな~~って思っていたので、購入。

 

薬局の表紙かわいい。薬学雑誌の中ではかなり好きな表紙です。くまがサルタノール*7で滑っているやつ、アクキー化してくれ。

 

バイスについて巻頭でカラーで紹介していてわかりよい。他にも副作用対策とかデバイスの選び方、よくある質問とかいろいろ書かれていてとてもよかった。

 

雑記

 

これ以外にもいろんな本にお世話になりましたが、とくによかったかな~ってのを列挙してみました。

 

趣味薬学みたいな人間なので、趣味でした。でも読めないな~、眠たくなるな~ってなったらすぐにやめるし、読み飛ばすような人間なので、本当に気の向くままに。

 

薬歴本は何冊か読み、雑誌の連載の中でも読んでいたので、薬歴良いと言われたときはフッ成果出たなって正直思いました*8

 

薬歴関係は書き方以外に症例が学べる面もあるので効率が良いと思います。

 

パワポの本も実習前にちょろ~って読んで、勉強になった。

 

確かこれ。

 

 

行間について書かれていたのってこれだっけか。フォントと行間だけでだいぶ読みやすさ変わるな~ってなって、ずっとこれに書いてあった通りのフォントと行間にしている。

 

 

まだ他にも読破できていないのがあるので、気が向いたらそれらについても書きたいな。

*1:クソ自慢話

*2:フォローアップ、TRの本、記事色々読んでいたので大変光栄でございました

*3:岸田直樹先生。臨床推論本でおなじみのDr。

*4:ゲーファピキサント(商品名:リフヌア)

*5:限られたシチュエーション

*6:実践薬学管理(山本雄一郎)にはゲファちゃんの添付文書がちょろっと出てくるよ

*7:多分

*8:正直